【金融】マネーロンダリング入門/橘玲

<本のコンテンツ>

1.ノンフィクション

2.マネロン入門(文字通り)

3.富裕層におけるグローバルでのカネの動き

 

 

金融に勤めたことがある人は、必ず多数研修やテストを受けるであろうテーマ。

マネーロンダリングというと、(恥ずかしながら)ウィル・スミス主演のBAD BOYSⅡで、マーカスの妹が偽装トラックに乗りマフィアの札束を機械に突っ込んでビラビラやっている映画的なイメージしかなかったが、実務的な面まで詳らかにされており、2006年に出版されたにも関わらず、2021年の今でも非常に楽しめる本だった。(勿論、題材となった事件を発端に規制は種々強化されており、現在の厳格な運営の背景を知る意味でも勉強になった。)

 

そして、そんなこともマネーロンダリングの定義に含まれるのね、と思ったのは税金逃れの行為だったり株式所有・株価操作の部分だ。(特にライブドア事件や、タックスヘイブン経由の投資等。)

 

SMBC日興証券の定義によると、広義では所謂「資金の所有者や出所をうやむやにする行為および資金」はマネーロンダリングの分類に当てはまることになる。

 

マネーロンダリングとはいかなくとも、これだけグローバリゼーションが進み、国境の境が無くなっていく中で、国家間での資金の移動は歯止めがかけられないだろうし、現に富裕層はシンガポールや香港等、税率が低い国に流出している傾向は歯止めが利かなそうだなと思う。お金を持っている人達・会社が自由に国を選ぶ時代になったことを痛感する。

 

翻って日本はどうだろう。個人の時代と叫ばれる中、個人の所得税を爆上げし据え置いている意味について、日本政府はよく考えたほうが良いと思う。某人気Youtuberだって税金が安い国に移住しているし、40百万円稼いでいる個人を海外に流出させるくらいだったら、半額にして日本で支払ってもらったほうが得なのでは…?(勿論その前に法人税の議論があるとは思います。日本の税金問題について、どなたか税金マスターがいらっしゃったらご教示下さい。)

 

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(出所:国税庁 所得税の税率)

確かに、もう少し資産増えたらシンガポールでPRとって永住するわ笑

 

<以下若干本の内容に触れておりますので、気になる方は引き返して下さい>

中でも、「地下銀行のアプリ化」は非常に面白いアイディアだと思ったが、上梓されて15年たった今でも日本でサービスが供されてないのは、やはり国の規制上・法律上、難しいからだろうか。

 

トランスファーワイズ等、海外送金が気軽になり、かつ仮想通貨への期待が高まる中では、メガ含め一般的な銀行は、決済関係における不採算・撤退は避けられないと考えている。

 

金融の専門的な観点で読むというよりは、どちらかというと物語・ノンフィクションストーリーという様相で非常に面白かった。

 

___以下参考_____________________

SMBC日興証券引用>

日本語でいう資金洗浄のこと。麻薬取引、脱税、粉飾決算などの犯罪によって得られた資金(汚れたお金)を、資金の出所をわからなくするために、架空または他人名義の金融機関口座などを利用して、転々と送金を繰り返したり、株や債券の購入や大口寄付などを行ったりします。これは、捜査機関による差し押さえや摘発を逃れるための行為で、世界中で巨大な闇のお金として悪用されることもあります。もちろんこれらの行為は法律で禁止されています。

<引用終わり>

 

<本日の図書> 

<参考URL>

マネーロンダリング│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 (nta.go.jp)